健康な土が育む青森の果実と野菜 〜生産者編〜

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ピンぼけ写真ですみません・・・・・。

ミニトマトは、なにからなにまで、
ふつうサイズのトマトより手間がかかるそうです。

それはそうですよね〜。
受粉だって、撤果だって、収穫だって数が多いし、
小さいだけに完熟のスピードも速そうですし。
暑さにも弱く、とてもデリケートな野菜だとお聞きしました。



なのに、なのにですよ・・・・・。

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この大きなビニールハウス15棟(うちミニトマト12棟)を
我満さんご夫妻と、ご両親の4人で管理されているとか。
アルバイトや研修生の手を借りても最盛期にはハードワークが続き、
70代のご両親にはそろそろ作業がしんどいかもしれないなぁ、と。

18歳(確か)を筆頭にした4人のお子さんは、
いまはまだ農業に関心がないそうですが、
我満さんは無理強いする気持ちはさらさらなく、
もし、継ぎたくないと言えば、それでもいいのだとおっしゃいます。

少子化、後継者不足は、全国どこでも生産者の悩み。
我満さんのハウスの近くにあった小学校が、
生徒数の減少で近年他校と合併して廃校になったとか。

「いままで、小学校から聞こえてくる子どもの声とか、
 いろんな音に耳を傾けながら作業していたのに、
 それが聞こえなくなったのがさびしくてねぇ・・・」

我満さんのつぶやきが胸に沁みました。

わたしが子どもの頃、
授業で「三ちゃん農業」という言葉を聞きましたが、
(じいちゃん、ばあちゃん、かぁちゃんでしたっけ?)
いまもあまり状況に変化はないのかもしれません。



我満さんのハウスがある場所は標高が高く、
自然環境的にはかなり厳しい立地です。
9月にはもうすでに霜対策が必要だそうですし、
真冬にはハウスの鉄骨のてっぺんくらいまで雪が積もるそうです。

農業は重労働で休みなし、収入も決して多いとはいえません。
覚悟と意欲と体力がなければ務まりません。

最近、農業に惹かれて新規に就農する人が増えています。
が・・・それは、都会での話なのかもしれません。
リアルに農業の実態を知っているこの地では、
子どもも大人も、就農へのためらいがあったりします。

しかーし、青森にもいらっしゃいました!
若くして農業の魅力を知り、
積極的に新しい農法、新しい生産物に取り組む農家さんが大勢。

我満さんも、川村さんの若夫婦も、野菜ソムリエの仲間も、
苦労だけではなく、農業の楽しさを体感し、
生き生きと充実した農ライフを送られています。
生産物への誇り、自負、それが生き甲斐でもあるはずです。



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川村さんの畑には、桃も、栗も、梨も、プルーンも、
そのほか、さまざまな果樹があり、
見ていて清々しい気分になるような育ち方をしています。

写真はありませんが、
ビニールハウスの中では、トルコ桔梗やラナンキュラスなどの
花も育てていらっしゃるそうです。

若奥様の発案で、品種はシックな色合いのものを選び、
独自性、オリジナリティを追求しているとか。
果実と花の詰め合わせギフトも好評だとうかがいました。

果敢に新しい試みにチャレンジしていく若夫婦が素敵だし、
若い世代のアイデアやセンスを受け入れ、
挑戦を許して見守るご両親の懐の深さも感じました。



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東京、神奈川から来青してくださった野菜ソムリエ3名。

川村さんのりんご園の事務所で集合し、
昨日の午後いっぱい一緒に見学をしました。
来月初旬に東京・渋谷で
この見学会のリポート発表をされるそうです。

がんばって〜〜〜!
青森の農産物への取り組みと素晴らしさを
しっかりアピールしてくださいね。



写真手前に見えるススキは、
若奥様が十五夜の昨日に合わせて飾ってくださっていた
花と果実の詰め合わせの一部です。
こういう心遣いにゆとりが感じられ、素敵だなぁ、と。

懇親会の席で、若奥様ともお話できたのですが、
チャーミングでエネルギッシュな方。
いろんな構想を胸に温めていて、
実現に向けて着々と前進している姿に勇気をもらいました。



今回の見学会で印象的だったのは、
健康な土や農産物をつくろうという「前向きさ」や
「プラスのパワー」を持っている生産者さんこそが、
青森の農業を活性化させ、日本の食を支える要だということ。

不況でも、労働力不足でも、収量や収入の不安があっても、
決して後ろを向かず、前へ前へ。
農産物は待ってくれないから、毎日の作業をこなしながら、
明日のこと、将来のことを考え、行動していく。

常に、頭もからだもフル回転。農業ってスゴイ!!!

そもそも、土づくりだって化学だし、植物を育てるのも化学。
わたしが植物を育てるのが下手なのは勉強不足が原因だと痛感。
質の高い農産物を安定生産するためには、
かなりの勉強家にならないといけないということです。

青森には、勉強家の立派な先生がたくさんいらっしゃいます。
へなちょこジュニア野菜ソムリエのわたくしですが、
これからどうぞよろしくお願いします。
by aomoringo50 | 2011-09-13 14:48 | 仕事