高齢者の「食」事情。





仕事だって、料理だって、段取りがよければさくさく進むわけで、
段取りの中には、下準備ってのが含まれているわけです。

いざ始めようというときに出端をくじかれないように、
とりあえず、仕事だったら、机の上は片付けておくとか、
必要な資料をまとめておくとか、そういうことをしておくでしょう。

料理も、使う道具や材料を一通り出しておくとか、
材料の下ごしらえや計量がしやすいように片付けておくとか、
それがあっての効率のよさがあるわけです。

が、いまは台所が使える時間は細切れで、
その都度洗い物や片付けをしなければならないので効率が悪いっ!
しかも、汚しっぱなしの台所の掃除、道具や食器の洗い直しから…。

生鮮食品は、買って来たらまとめて下ごしらえしておきたい。
鮮度が落ちる前に、ちゃっちゃとやって、
いろんな状態で、冷蔵なり、冷凍なりしてしまいたい。

いつになっても手をつけられないまま、しおれていく野菜や、
変色していく肉や魚介など、見るに忍びないのであります。



そんなわたしの気持ちなど、知ってか知らずか、
なにしろ、わが高齢の母上さま、
多彩な食材を用意しておいても、加工品や半調理品しか手をつけず。

挙げ句の果てに、わざわざ出かけて行って、
菓子パンやカップ麺を買って来るという現実に驚くばかり。
買いに行く元気があったら、ある材料でつくればいんじゃない…と。

刺身のさくでさえ、切るのが面倒らしくて食べない。
好物のまぐろでも、切ってないとなかなか手をつけない。
そこまで面倒なのか、料理って。もともと得意な人じゃないけど。

歳をとるってこういうことなの? これって仕方ないことなの?
いまも、両親の冷蔵庫には、腐敗が進みつつある生ものがたくさん。
だし醤油を1週間で1リットル以上使うのも悩みの種…。

どうしても面倒なときに使ってね、という思いで買ってある
レトルト食品ばかりが、とっととなくなっていくので、
栄養計算されてある高齢者向けの冷凍惣菜の取り寄せを決めました。

長期保存が可能な小分けの副惣菜(野菜)とかがあるので、
とりあえず買ってみたけど、そもそも母は好き嫌いがとても多くて、
食べる野菜も限られているので、あっても食べないかもね…。

こちらがあれこれ考えてつくって食卓に並べても、
頑として箸をつけない料理も多く、胃の具合が悪くなったとも言われ、
これまで通りの食生活をしてもらおうと決めたのが数カ月前。

成長期の子どもなら無理強いしてでも食べさせるけど、
老人は無理。とくに、わが家の頑固な女王さまには無理な話。
栄養バランスとか、添加物がどーしたとか、そんなのおかまいなしだし。

味つけのバリエーションがあって、高齢者向けに開発されている
プロの食事を導入して、様子をみます。
市販品よりは、塩分控えめで、添加物も少ないはずだし。

しかし、よそさまの同世代の老夫婦もこんな感じなのかなぁ。
男性の高齢者の一人暮らしなんて何食べてるんでしょう?



親子といえども、30年以上、違う環境で暮らしてきたので、
なにもかも同じ条件で暮らすのは無理というものです。
台所のスペースも分けて使えるように考え中。

わたしが長時間台所を使えるのは、夜遅くと早朝だけなので、
自分の食事の仕込みはもちろん、試作などもその時間帯。
だいぶ、ストレスがたまってきてます。

週に一度のデイサービスの日だけ、
日中に台所が使えるのが唯一の楽しみ…。
たまには、明るい日差しの中で、思いきり料理がしたいのですよ。
by aomoringo50 | 2012-04-07 17:57 | 雑記